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歯内療法・根管治療

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歯内療法・根管治療とは

虫歯を放置すると、しまいには歯を抜かなければならなくなります。このようにならないために歯の中に存在する歯髄(神経・血管)を除去してその空洞を緊密に充填して歯を残すようにする治療法を歯内療法・根管治療と言います。

日本式根管治療の弊害

日本人の歯は80歳で9本しか残っていません。
根管治療の失敗が多く歯がなくなってしまう。
このようなことが起こる理由は日本式の根管治療にあります。
日本式の根管治療は歯の中に細菌を入れてそのまま蓋をしてしまう治療だからです。次の論文にこのようなことが書いてあり、私は衝撃を受けました。日歯内療誌 32(1):1~10,2011

東京医科歯科大学虫歯外来2005年9月〜2006年12月

右のグラフは東京医科歯科大学虫歯外来で調査した根管治療における根尖部X線透過像の発現率です。(失敗率を表わしている)
歯の歯髄(神経・血管)を除去した患者さまが東京医科歯科大学のむし歯外来に来院しレントゲン写真を取り、その時に根の先に病気が見つかった発現率、治療が失敗した割合を表しています。
東京医科歯科大学の須田教授の論文からの引用です。
わが国における歯内療法の現状と課題という論文ではこのように書いてあります。

2010年7月、その前年における保険請求回数の全国集計が政府統計の総合窓口(e-stat)で公表された。

そこに掲げられたデータから推計すると、2009年の1年間で行われた永久歯の抜髄(神経・血管を除去すること)・感染根管治療(抜髄処置が失敗して歯の根に細菌の感染があること)の総数は1,350万例以上にのぼる。
無菌的処置の原則を遵守した場合でさえも、抜髄および感染根管の成功率は、それぞれ90%前後および80%前後と報告されているので、一般臨床現場では根管処置後の経過不良例がきわめて多数存在しているに違いない。

さらにわれわれの調査では、根管処置が施された歯にはきわめて高率に根尖部X線透過像が発現していることが見出された。

(上の図)
上の図が意味していることは、根の治療は3割~5割しか成功していない。
たとえていうとイチローの打率みたいなものです。
7割から5割失敗するということです。
わが国の歯科医師が行う根の治療が半分以上失敗だとしたら皆様どのように思われますか?

須田教授はこのように仰っています。
日本の歯科医師が歯内療法を行う環境は困難を極めてている。保険診療における歯内療法の低評価は誰でもが認める事実であり、米国の一般開業歯科医による根管処置料金の中央値(2007)は、わが国の社会保険診療報酬の7倍以上である。
また、日本歯科医学会が2005年に発表したタイムスタディー調査結果から算出すると、大臼歯の根管処置において、審査から根管充填までの合計所要時間は2時間以上である。

解り易く言うと、日本では根管治療は不採算部門なので成功率が3割~5割であり、時間がかけられず無菌的な処置が行われていないことが根管治療が失敗する理由です。
日本式根管治療がこのような成功率で半分が失敗するということなので、私たちはマイクロスコープを使用した米国式根管治療をお勧め致します。

米国式根管治療と日本式根管治療の違い

日本式保険診療 米国式自由診療
マイクロスコープ なし 使用
1回の診療時間 30分 1時間〜1時間30分
通院回数 数回 少ない
無菌的処置 不可能 必須
ラバーダム なし 必須
土台作りでの感染 あり なし
成功率 50%以下 90%以上
  • 1)日本では無菌的処置をしない治療が行われている
    ラバーダム防湿と呼ばれるゴムのマスクは歯に細菌を入れないためには必須の器具にも拘らず、日本では常に使っているという歯科医師は僅か5%程度です。
    保険診療ではコストと時間がかけられないことが原因です。
  • 2)マイクロスコープを使わない日本式治療
    アメリカの歯内療法専門医ではマイクロスコープの設置義務がありますが、日本ではマイクロスコープの普及率が3%程度です。
    人はどんなに頑張っても、0.1mmの距離を見分けることが厳しいのです。これで仕事をしたら裸眼での神業レベルの仕事が誰でも出来るようになるのです。
    時間も数倍かかるので日本では使われない。
  • 3)根管治療の費用

    根管治療の費用比較グラフ

    上のグラフをご覧下さい。日本での根管治療と海外のものを比較したものです。先進国と比べると異常な点数、値段に設定されているのが解ります。
    フィリピン、マレーシアと比較しても安すぎることが解ります。
    先進国である日本が何故、こんなに安い費用を設定されているのでしょうか?その理由は国が介入していることが原因しています。私達のような医療業界は厚生労働省が管轄しているのですが、国は材料を指定してきます。
    まず、高価な材料は認めてくれません。インプラントは良い治療方法でも保険の範囲ではないことを考えて下さい。
    それから、いくら時間をかけて丁寧に行った根管治療も、5分しかかけなかった治療も保険では同じ報酬です。これでは歯科医師はやる気力さえ失います。

  • 4)診療時間
    通常、日本の歯科医師は1時間に3名程度の患者様を診療すると言われています。1日8時間労働だとすると、1日に約24名の患者様を診療することになります。欧米の歯内療法専門医の根管治療の予約時間は1時間〜1時間半と言われれいます。
    もし、30分で根管治療を終えようとしたら、どのようなことになるのか?想像して下さい。
    まず、チェアにお座り頂いて治療の説明をして麻酔の注射をします(5分)。ラバーダム装着(5分)。仮封除去(5分)。正味15分しか時間がないし、術後の患者様への説明に5分はかかりますので到底、根管治療をする時間的余裕などありません。
  • 5)土台作りでの感染
    根管治療後、日本では金属の土台を歯に装着し、その後クラウンを被せる処置をしますが、金属を作る土台を技工士が作る間に根管内に感染を起こしてしまうケースが多々あります。
    感染を起こさないためには根管治療が終了した時点で出来るだけ早期に口腔内でファイバーポストを使いコンポジットレジンで土台を製作することをお勧めします。

自費の根管治療の詳細

初めて神経を取る場合、すでに神経がなく再根管治療する場合
前歯 99,000円(税込)
小臼歯 121,000円(税込)
大臼歯 143,000円(税込)
  • 歯の状態が悪く、抜歯に至る場合もございます。
  • 根管治療後の補綴処置(被せ物)は保険外となります。
  • 精密な根管治療には1回の治療時間が60分~90分かかります。
  • 使用器具、薬剤は保険の根管治療では使用しない、特殊なものを使います。
    保険で使用する薬剤などは吸収したり、溶解して消失することもあり、それが、細菌の侵入の原因となることがあります。
  • マイクロスコープ(精密拡大顕微鏡)を使用し、これまで見えなかった根管内を目視にて確認にしながら治療します。
  • 自費の根管治療を希望しても、診査結果により予後不良の可能性が高い場合は、相談により治療方針を考慮していきます。
  • 歯の痛みにより、初めて神経を取る歯の根管治療には特に自費による根管治療を推薦します。なぜなら、今後の再発のリスクを軽減するために、最初が最も肝心だからです。

On average, an 80 year old person has only 11 teeth in Japan. Many teeth have been lost due to failed root canal treatments. What causes this is typical root canal treatment practices in Japan, i.e. capping the treated teeth with bacteria left behind within it. I was shocked when I learned this fact from this paper: “The Journal of Japan Endodontic Association” 32(1):1~10,2011

The above graph shows occurrence rates of radiolucent findings in apical areas after root canal treatments (i.e. failure rates of these treatments), surveyed at the Outpatient Department for cavities of the Tokyo Medical and Dental University Hospital.

More specifically, this graph shows the incidence of lesions in apical areas, which were found in x-ray exams when patients, whose dental pulp (the nerves and blood vessels) had been removed. This discovery took place when patients visited the Outpatient Department. In other words, this is the rate of failures of the previous treatments.

The following is an excerpt of the Tokyo Medical and Dental University Hospital’s article, “Current status and problems of endodontics in Japan:”

“In July, 2010, the government published the total number of insurance claims made in the previous year across the country on the Portal Site of Official Statistics of Japan (e-stat). Based on the data, it is estimated that there were over 13.5 million cases of pulp extirpations (i.e. removals of the nerves and blood vessels)* and infected root canal treatments (indicating that there were bacterial infections in the roots resulting from failed extirpations)* performed on permanent teeth in 2009 in total.” * () added for readers’ convenience

“Even when following the principles of aseptic technique, the success rates of pulp extirpations and root canal treatments are reported to be around 90% and 80%, respectively. This indicates that there should have been a significant number of root canal treatment cases with unfavorable courses in general clinical practices. Moreover, our research found that there was a high rate of radiolucent findings in apical areas of teeth with root canal treatment history.”
(The above figure)

T

he above figure implies that only 30-50% of the root treatments are successful. This is like a batting average of Ichiro, a baseball player. In other words, 5 to 7 out of 10 cases are failures.

What do you think when more than half of the root treatments done by dentists in our country are failures. The research paper also reported the following:

“(In Japan) dentists are put in the environment that makes it quite difficult for them to carry out endodontic procedures. Endodontics covered by the national health insurance is poorly appreciated, as is well known, and a median of fees paid to general practitioners in U.S. for root canal treatments are seven times more than those paid under the national social insurance.”

“Also, based on the time study results issued in 2005 by the Japanese Association for Dental Science, it is calculated to be more than two hours taken from the evaluation to the root canal filling.”

In a nutshell, the success rates of root canal treatments are 30-50% as these are not profitable in Japan, and these failed treatments are associated with the fact that aseptic procedures have not been taken as dentists cannot spare enough time.

We highly recommend American style root canal treatments using microscopes, as those of Japanese dentistry with such low success rates and 5 out of 10 cases can fail.

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