画像は拡大してご覧下さい。
こちらの患者様は歯の周りが腫れた症状に悩まされ、また歯が浮いたような状態になり歯の周りから排膿があるので当医院に昨年の年末にご来院下さいました。
術前の3次元のCTでは歯の周りが真っ黒に見え、膿が溜まっているのが想像されます。
まるで膿の中にプカリと歯が浮かんでゆらゆらと揺れているようです。
実際、歯は上下、水平に三次元的に動揺しています。
私がしたことは根管治療を4回して、MTAセメントで根管充填を行いました。上のCTの画像は根管充填後2ヶ月後の状態です。
歯が浮いた感じ、歯の動揺もすっかり治りました。大分、歯の周りに骨ができてきました。
術後6ヶ月くらい経過すればほとんど歯の周りが骨に変わることが想像出来ます。
腫れの原因である歯の中の細菌を除去することにより歯の周りの骨は自然に出来てくるものなのです。
下顎の第2大臼歯は周囲の骨が厚いので通常でデンタルX線では見えにくいのですがCTを撮影することにより無事成功しそうです。
これから数ヶ月後にどのように治癒するか楽しみです。
3次元的に根管の走行がわかることと、歯の周りの骨の状態が解かるのでCTを使用した根管治療はこのようにとても有効な武器になります。マイクロスコープ(顕微鏡)を使うことは言うまでもありません。
日本歯周病学会歯周病専門医 吉川英樹 拝