先週は真冬のような天気が続きとても寒かったですね。

 

 

さて、根管治療が必要な患者さんが多く来院していますが、全ての症例で治療が成功するのではありません。

 

世界の論文を読んでみると、レントゲン上で膿が溜まって見える症例の再根管治療の成功率は6割程度と言われています。

マイクロスコープを見ながら細心の注意をして再根管治療しても失敗するケースがあるのは仕方がないことです。

 

こちらの患者さんも私が数ヶ月前に再根管治療しましたが残念ながら病巣が消えなかったのと未だ症状が治まらなかったので

歯根端切除をすることにしました。

 

歯肉を切開、剥離するとこのような状態でした。

 

Leica Picture

 

根の先端が見えているのが解ります。

 

Leica Picture

 

 

根っこの先には、やはり膿の袋があり、掻爬して根の先端を3mmカットしたところです。

 

MTAセメントで根管充填を数ヶ月前にしたので、カットして根の断面には漏れがないことを確認しました。(上の写真)

 

Leica Picture

 

上の写真は歯肉を元に戻し縫合を終え、手術が終わったところです。

 

 

根管治療の目的は、根管の中を可及的に無菌にすること、それから、無菌的にならなかったとしてもきっちり根管充填をして

細菌を埋葬することです。

 

 

歯根端切除をしたので9割は治癒すると言われています。

 

 

しかしながら顕微鏡による手術、マイクロサージェリーは必ず必要で、顕微鏡なしの歯根端切除術の成功率は5割程度です。

これにより抜歯してインプラント治療するということが避けられます。

 

 

日本歯周病学会歯周病専門医 吉川英樹 拝