コロナウイルスが流行していますが皆様如何お過ごしですか。
今週から学校も休校になり今が流行の正念場のようですね。早く収束することを祈っています。
歯内・歯周病変をご存知ですか。
歯周病と歯内病変が合併したものです。
歯周病とは歯の周りの辺縁に細菌性プラークがたまり、そのために細菌から離れるように骨の吸収が起こる病気です。
歯内病変とは歯の内部に細菌性の感染がおこり根の先に膿がたまり骨の吸収が起こる病気です。
この二つの病気が合併した場合治療の難易度が一気に上がります。
歯周病と歯内療法(根管治療)両方に精通している術者でないと治療は難しいです。
術前のレントゲンです。歯の周囲の骨が絶壁のように吸収しているのが観察されます。ポケットも7mm程度あります。
しかしながらこれを歯周病と断定は出来ません。
歯内病変がある可能性があります。根の先から膿が歯に沿って辺縁部に排膿路を形成すると歯周組織が破壊されます。(図を参照ください)
術者の診断が間違ってスケーリング(根の周りの細菌性プラークを除去すること)をすると歯周組織であるセメント質、歯根膜を根こそぎ破壊することになり治療は失敗し抜歯に至ります。
このような場合、歯周組織を破壊しないように歯内療法から始めるべきだと教科書に書いてあります。
根管治療・歯内療法により排膿路を除去してから歯周病治療である根面を綺麗にする処置を行うべきです。
次のレントゲン写真は根管治療後3ヶ月待ち、歯周病治療(エムドゲインによる再生療法)ご3ヶ月経過したものです。
骨再生を認めます。今後もっと骨が増殖すると思います。
日本歯周病学会専門医 吉川英樹拝