春爛漫です。
私たちの医院にCTが導入されて1年以上経ちましたがその間、他院における過去の根管治療が上手く行かずに腫れたケース、神経の取り残しがあり痛みが持続しているケース等多くの患者さんがご来院下さいました。全ての方が他院で過去に行った治療のやりなおしです。
こんなケースはCTを撮影してマイクロスコープを使用して再根管治療をすることが最近推奨されていますがここまでやる歯科医師はまだごく一部です。(1%未満かと思います)
その理由はこれらの高額な器械を導入するには余りにも保険診療は金額が安すぎるということに尽きるでしょう。
何しろ、マイクロスコープとCTを導入する費用はフェラーリ1台分位かかります。
上の図は各国の根管治療の費用を示しています。
しかし、この設備で正しく根管治療をすると飛躍的に成功率が高まるのです。
9割程度の成功率があることをCTの画像を観察しながら実感しています。
ところが一方、一般的に日本での根管治療の成功率は4割程度と言われていて、これは保険診療の影響が大きいです。
上の図は日本の根管治療の失敗率を現しています。
一般的に手術をする場合にその成功率を患者さんに告知することは常識だと思いますが日本の歯科ではこのことが語られることはなく保険で根管治療が行われています。
保険診療は余りにも費用が安いので歯科医師は責任というものがなくなるということでしょうか。
もっとこれらのことを患者さんに知って頂きたいし、患者さんも歯科について勉強して頂きたいと思っています。
先日、アメリカ人のご主人と翻訳家の奥様が治療のためにご来院下さいました。
アメリカ人のご主人は日本の歯科医師に不信感を持っておられて日本の歯科医師はアメリカと比べて奇妙に感じると仰っていました。その理由ははっきりと物を言わないで何の説明もなく治療が始まり何の説明もなく治療が終わり、成功率については何も言わずに理解ができないということでした。
私はこのアメリカ人のご主人がおっしゃることは良く理解できます。
成功率も教えない治療などあり得ないからです。
奥様も過去の治療に問題があり当医院で再治療を行っているところです。
日本の歯科の悪いところは再治療ばかりだということに尽きます。
長期に渡り機能するLONGIVITYということが抜け落ちています。
LONGIVITYとは長期に渡って再治療なく機能するということです。
どうかご理解を下さいますようお願いいたします。
吉川 英樹 拝