私たちの医院では、最近根管治療がうまくいかずに悩んで相談に見えるケースが増えています。

 

こちらの患者さんも一年前に虫歯のために神経を除去しなければならず他の医院で根管治療を一年間、週一回行っていたが、一向に痛みが引かず昨年の3月に来院下さいました。

 

一年間も治らなかったので何かの理由がありそうですが、私が出来ることは只、基本通りにコンセプトを守った治療をするしか方法がありません。

 

一年間にわたり治らなかった理由は歯の中の細菌感染にあるのは間違いありませんので、基本通り、根管を拡大し根管洗浄、根管消毒をしました。

 

そうすると、患者さんは2回目か3回目の根管治療後に痛みは消えたということでした。今までの1年の治療は何が問題だったのかというと、根管の中の感染がとれてなかったのです。ラバーダムなしの根管治療、仮の蓋がキチンと歯の中に細菌が侵入しないようにできていない。歯内療法、根管治療の基本であるコンセプトが守られていなかったのです。

 

下のレントゲン写真は初診時のものです。

3回めで症状が消えたため根管充填(根の中に緊密に詰め物をすること)をしました。充填後のレントゲン写真です。(レントゲンは削除しています)

上の2枚のレントゲンは2次元のものなので本当に完治したのか疑問が残るためCTを撮ってみました。

 

どうか上と下のレントゲン像を比較してご覧下さい。歯の内部にある空洞、根管の見え方が違うことをご理解下さい。

 

2次元のレントゲンでは下顎骨が厚い部分があり鮮明ではありませんが3次元のCTでははっきりと根管の

状態が観察できます。

 

0000010537_00010101_CT_1 - コピー 拡大してご覧下さい。

 

根尖が治癒していることがCTの画像で確認出来ました。

 

CTの導入によりこれから、皆様の歯を抜かずに残せるようになる可能性が増えたので

 

インプラントをする前にお気軽にご相談ください。

 

 

日本歯周病学会歯周病専門医 吉川英樹 拝