先日、ある医科の医院に受診しました。

 

診療開始10分前の8:50に医院に着き、受付に保険証を提出すると、「14人待っているの1時間20分程待ちます」と言われ、かなりショックでした。仕事が休みの日だったので時間には余裕があり、その時間は他に有意義にすごせましたが、こんなことをいつも思います。

 

「何故、医者は予約制を採用しないのに歯医者は予約制なのだろうか?」。歯医者では14人待たせることはほぼ不可能で、私は1人だって待たせることは出来ません。そんなことをしたら、焦って

自分自身の精神が参ってしまいます。

内科の処置は、ほぼ検査をして投薬をするというように手を動かさなくて済む処置が多く、その連続のようで、また診療の半分は看護師さんが担当するのでドクターの時間は5〜10分あれば良いのでしょう。

 

一方、歯医者の治療は外科処置の連続です。例えば、虫歯で歯が痛いという患者さんが見えた場合、もし、神経を取らなければならない場合1時間は必要になるでしょう。また、使用する器具は完全に滅菌されたものでなければなりません。滅菌が間に合っていなければ処置は出来ません。

 

米国では歯科医師のことを英語でDentistと呼びますが正式にはD.D.Sと呼びます。これはDocter of Dental Surgery(歯科外科の医者)という意味で歯科は外科と認識されているのです。

 

このように米国等の先進国で歯医者の治療時間が1時間未満で15分などという国はあり得ません。1時間以上は必要になります。

 

このように歯医者と医者ではやっていることがまるで違うのです。こんな診療を見かけることもあります。日本式同時進行型治療です。歯科のチェアが4台も5台も並んでいて歯科医はチェアの間を忙しそうに飛び回り5分位診療し、その後は衛生士や歯科助手が担当し型を採ったり、詰め物をしている。この日本式同時進行型治療は日本の歯科が少ない保険点数をカバーするために考えだした異常な診療形態です。

 

このように、医者は予約制を採用せず、歯医者では予約を採用するという違いが生まれます。

 

たまに予約なしでお見えになる初診の患者さんがおられますがこのような理由で歯科では無理なのです。

 

日本歯周病学会歯周病専門医 吉川英樹 拝