本の紹介です。こんな題名の本を読みました。
著者は岡本 裕 医学博士
副題はこのように書いてあります。
「診療時間3分の」の医者は信用してはいけない。
抗生物質を簡単に出すのはダメ医者
「とりあえず薬を出しましょう」
「様子を見ましょう」と言う医者は、疑った方はいい
2年位前に読みましたが、私が共感したところを少しご紹介致します。
本当に病気を治したかったら医者は戦うしかない
医者も患者も医療を勘違いして生きている現代では、本当の医療を追求しようとすると「異端児」のレッテルを貼られかねません。病院に勤務する立場でそれをしようとすれば肩身が狭くなり、ついには退職せざるを得なくなります。そのことは、実際に大学病院を退職した私がよく知っています。
しかし、どう考えても今の医療は間違っているのです。患者が元気で長生きすることを目標とせず、目先の症状を解消することだけに注目し、薬漬け、検査漬けに自己治癒力を徹底的に破壊して廃人同様にしてしまいます。そんなものが本当の医療であるはずがありません。
恐ろしいことが書いてありますが、ある意味で真実なのでしょう。老人ホームに行くとものすごい量の薬が処方されています。
私は歯医者ですので、歯医者の立場で良く似たような例があります。例えば、根管治療で徹底的に歯髄を除去すると術後にフレアーアップと言われる「痛み』が出る場合があります。しかし、多くの場合そこまで徹底的に根管治療が行われないので「痛み』は出ないことがあります。また、根の先は腫れてそこに膿がたまった場合「根管を解放」という処置を日本では行う場合があります。根管を解放すると根先端の内圧が解放され痛みは劇的に消失します。しかしながら、根管には唾液が侵入し、そこに細菌が定着してしまいます。アメリカの歯内療法専門医はこれは絶対にしない処置です。本当の医療ではなく目先に症状を改善しているだけです。
歯科医療でもこのようなことが多く見られるので書いてあることは良く解ります。
待合室に置きますので興味のある方はお読み下さい。
日本歯周病学会歯周病専門医 吉川英樹 拝