歯周病の検査でポケットを測定する時に歯周ポケットがあるからといって必ず歯周病だと診断することは危険です。
その理由は歯の内部が細菌感染を起こしてその結果、根の先に膿がたまり膿は組織の弱いところから外に出ようとするために歯と骨の間にある歯根膜という部分から外に向かって排膿しようとして歯周組織が破壊され、あたかも歯周ポケットを形成するように見えるからです。
つまり歯周ポケットがあるからといって必ずしも歯周病ではないということになります。
もし、診断を間違えて歯周病の治療であるポケットを綺麗にする掻爬術を行ったとすると、歯の表面にあるセメント質を剥ぎ取ってしまうので歯周組織である歯根膜・骨は二度と再生致しません。
そのような意味で診断がとても重要になります。
こちらの患者様は歯頚部に力により欠損が出来てそこから歯の内部に細菌感染がおこり歯髄がダメージを受け根先端が化膿して排膿を起こして歯周ポケットのような排膿路が出来た症例です。
2.5ヶ月にCTを撮影して治癒を確認致しました。骨が見事に再生していることに注目して下さい。
別の角度からCT画像をご覧下さい。
根管治療が成功した結果、排膿路が消え歯周ポケットがなくなりました。
日本歯周病学会歯周病専門医 吉川 英樹 拝