毎日の診療で一番大切なものはクリニックの中での人間関係です。
歯科医療スタッフと患者様の人間関係が良くなるように考えて実行したいと思います。
以前何かの機会に読んだことがあるジョハリの4つの窓です。
ジョハリの窓とは、自分をどのように公開し、隠蔽するか、コミュニケーションにおける自己の公開とコミュニケーションの円滑な勧め方を考えるために提案されたモデルです。
ジョハリの窓の誕生
1955年夏にアメリカで開催された「グループ成長のためのラボラトリートレーニング」席上で、サンフランシスコ州立大学の心理学者ジョセフ・ルフト (Joseph Luft) とハリー・インガム (Harry Ingham) が発表した「対人関係における気づきのグラフモデル」のことを後に「ジョハリの窓」と呼ぶようになった。 ジョハリ (Johari) は提案した2人の名前を組み合わせたもので、ジョハリという人物がいる訳ではない。
ジョハリの窓と自己の関係
ジョハリの窓の左上の四角の部分は「公開された自己 」(open self)を表しています。自分が分かっていることを他人も分かっている状態です。例えば、好きなタレントさんとか俳優がいるとします。皆様はタレントさんのことが好きで興味があるので、その人について色々なことを知ろうと思います。誕生日を調べたり、好みの食べ物を調べたりします。タレントさん俳優のも自分自信のことを皆に知らせるよう努力をします。お互いに知り合っているのでコミュニケーションも良好で人間関係もうまく行きます。
ジョハリの窓の左下の四角の部分「隠された自己」 (hidden self) を表しています。自分が分かっていることを他人が分かっていない状態で、人間関係は一方的で上手くいかない。
右上の窓は、自分は気がついていないものの他人には良くわかること(blind self) です。自分は普通だと思っていても物凄くわがままだったりするなどというのはこの窓にあたります
・「誰からもまだ知られていない自己 」(unknown self) があると考えられる。
これらを障子の格子のように図解し、格子をその四角の枠に固定されていないものとして、格子のみ移動しながら考えると、誰からもまだ知られていない自己が小さくなれば、それはフィードバックされているという事であるし、公開された自己が大きくなれば、それは自己開示が進んでいるととる事が出来るだろう。
例えば、歯科医院でこんな患者さんがいらっしゃるとします。
この方はとにかく早く歯を詰めて治療を終わらせたいと考えています。
当然の考えで歯科医院で過ごす時間は快適とは言えませんし休みの日くらい遊びたいのは当然ですね。
しかし、歯科医師の方はこの方の歯を詰める前に、歯科治療の前に歯を磨いてもらいたいと思っています。なぜならば私どもの医院は予防中心の歯科医院で詰める前にご自身の健康は自分で守ってもらいたいと考えているからです。歯科治療の前に歯磨きをしてから来院されることはマナーとして最低限守らないことでもあります。(小言を言ってすみません)
歯石がべっとりついている歯を削って詰めようと思ってもどこが歯なのか歯石なのかが解りません。
こんなことをしてもすぐに壊れてもっとひどいこと、抜歯になってしまいます。
良い歯科医師であればまずは仮に充填して、次に口腔衛生指導(歯磨き指導)をして
その次にスケーリングと言って歯石除去をして、歯をきれいにしてから、さて「詰め物をします」
という流れになります。
しかし患者さんは私たちのこの考え方を理解出来ません。専門的知識がないので解らないでもないのですが。ジョハリの窓で考えるとお互いに理解しあっている状態である解放さた窓ではなく、私どものことを患者さんが知らない状態である左下の隠された窓のになってしまいました。
また、患者さんの方もご自身の心を素直な状態で人の話を聞く状態ではない。
患者さん自身も私にご自身の都合とか考え方を伝えて、私が患者さんの考えを理解していれば良い関係になります。「何しろ仕事が忙しくて3回しか通えない」とか。
「車を買ったばかりなので予算がない」とか。このような会話がとても大切ですね。
お互い一方通行はいけません。
日本歯周病学会歯周病専門医 吉川英樹 拝
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