ここ10数年、インプラントの勉強をすることが多かったのですが基本に立ち返り藤本研修会歯内療法コースを終了致しました。
歯内療法・根管治療は歯科治療の中では基礎となる部分でこのコースは本当に勉強になりましたし患者様にも直ぐに還元できるので意義深い一年でした。
日本では歯の根の治療が変な方向に誘導されているのを一般の患者様は余りご存知ないと思います。
こんなことをお話しするとビックリすると思いますが、日本では根の治療の時に歯の中に細菌が混入してしまい根の治療が失敗してしまうということです。例えば、ラバーダムというゴムのマスクがほとんど使われない。お口の中の処置は、唾液との戦いで治療中に唾液が歯の中に入ったら一巻の終わりです。唾液の中にはものすごい数の細菌が存在するからです。それから、使用する器具が不潔な場合が多い。また、根の治療・根管治療・歯内療法は一回の予約では終わることが少なく、何回かに分けて行わなければならず、その間、歯に蓋をしてシールするのですが、そこで歯の中に感染が起きてしまう。
つまり、根管治療は一般の手術と同様に無菌的な処置が行われなければならないのに、そのことのコンセプトが臨床医が守れないので治療の半分位が失敗するということです。本当に悲しいことですね。
コース主宰の米国歯内療法専門医の石井宏先生は一年間を通じて、このような無菌的処置の重要性を私達に伝えたかったと仰っていました。
私もこのことは患者様に今、一番伝えたいことです。
日本歯周病学会歯周病専門医 国際インプラント学会専門医
吉川英樹 拝