昨日はDental Arts Academyでの研修会『米国式根管治療Ⅱ〜リトリートメントを極める〜』2日目に参加致しました。
Dental Arts Academyとは世界最先端の歯科関連技術・TOPICを日本にいながら日本語で学べる、 向学心あふれる歯科医師のための学びの場です。(ホームページより引用)
2日目のトピックは、破折器具の除去とPeriapical Surgery(外科的歯内療法)でした。
根管の中で器具を折ってしまいそこに残ると感染除去が出来ないので根の先に膿がたまり抜歯になりますので破折器具を除去する必要があります。
しかし、これが根管治療の中では一番難しい処置と言われています。
講師の寺内吉継先生はこの破折器具の除去に関しては世界的に有名な歯科医です。
寺内先生はCTとマイクロスコープと特殊な器具を使ってマジックのように破折器具を除去できます。
この技術はただの魔法ではなく科学的な根拠に裏打ちされているもので寺内先生が研究したことがバックグラウンドにあってからこそなせる技だということが理解出来て大変感銘を受けました。
そして、この破折器具を除去する技術を持っている歯科医師はほとんどの根管治療を成功させる技術を持っている歯科医師であるというお話を聞き納得させられました。
外科的歯内療法はMTAセメントが臨床応用されてから、逆根管充填の必要がなくそのまま根尖端をカットするだけで済み大変シンプルな術式になりました。
解りにくいので患者さんのために易しく解説いたします。
根管治療が成功せずに痛みとか膿が引かない理由は根管の中の細菌の存在で、根管の中が無菌的になっていないということです。
根管の中が無菌的になっていなくても根管を隙間なくギッチリと充填することによりその中の細菌が埋葬されて根管治療は成功に導くことが出来ます。
結局、根管治療とは根管の中を無菌的にすることか緊密に充填することにより治癒に導けます。
従来のゴムのような材料であるガッターパーチャは緊密に充填することが難しくそのために再発することが多かったのです。
一方、MTAセメントは生体親和性が高く、封鎖性が高いので根管充填を緊密に行うことが出来て歯根端切除時に根尖端をカットすれば良いだけです。
研修と通して痛感したことは『根管を直視することの重要性』です。マイクロスコープを使用していても見えていなければ意味がありません。
そして、根管を触る時は『3次元的な地図』を頭の中に構築してから根管治療を行うことです。
最後に2日目のまとめのテストがあり私がFirst Prize賞を戴きました。
結局、根管治療にはマイクロスコープとCTは欠かせない器械だということを改めて再確認した2日間でした。
吉川 英樹 拝