各国の歯科治療
スウェーデンではすでに80歳での残存歯は20本以上あります。
アメリカでは80歳での残存歯は15本以上あります。日本では80歳での残存歯はたった8本です。
先進国である日本ですが、歯科医療に関しては相当遅れているようです。
一体なにが遅れていて、どうしてこんなに歯が失われていくのでしょうか?
日本の歯科医療は遅れているのではなく、正しい治療が行われにくい環境にあります。
そして、出来高払いという医療制度が医療の本質(健康を保つこと)をゆがめています。
そのことが、歯を失う原因です。
今までの日本の歯科治療は虫歯、歯周病によって失われた機能を補うだけでした。
虫歯になってから詰める、 歯が失われたから入れ歯、ブリッジにする。
このように、口腔の病気に対する「原因除去療法」が行われていませんでした。虫歯、歯周病の原因は細菌です。 つまり、細菌を除去することが本当の意味で治療と言えるでしょう。
この違いはどうしてでしょうか?
- ▷日本では予防システムが医療保険の中に組み込まれていない。
- ▷日本では歯科医師が削って、詰めて、被せる歯科医療が歯科の治療と思われている。
- ▷日本では口・歯を守る歯科医療、患者さんの歯をいじらないで、一生機能させる歯科医療に対して評価がない。
日本人の歯はどれくらい持つのでしょうか?(日本口腔衛生学会誌(1995)より)
再治療が必要とされた様々な歯科修復物について、再治療になった原因と、それまでの使用年数を調べることです。
調査は、岡山県と名古屋の10歯科医院において行わました。
対象は歯科修復処置が施されているにもかかわらず、歯科医師の判断により、再治療または抜歯が適当と診断された3120歯でした。
その結果、レジン、インレー、鋳造冠、アマルガムの平均使用年数は、それぞれ5.2年、5.4年、7.1年、そして7.4年でした。
多くの場合抜歯に至りました。